精子提供詐欺とは?

精子提供詐欺では、SNSなどを通じて精子提供者を募集し、高額な報酬を提示して興味を持たせた後、さまざまな理由を付けて反対に金銭を要求する手口が確認されています。

精子提供詐欺の特徴

精子提供詐欺とは、精子提供や子作りへの協力などを口実として高額な報酬を提示し、最終的に金銭を支払わせる手口です。

特徴的なのは、最初から「お金を支払ってほしい」と要求するのではなく、「精子を提供して子どもができれば報酬を支払う」など、勧誘された側がお金を受け取れる話として接触してくる点です。

その後、契約や報酬の受け取りに必要などとして、手数料や保証金、口座に関する費用などを要求される場合があります。

本来は報酬を受け取るはずだったにもかかわらず、途中から反対に金銭の支払いを求められた場合は注意が必要です。

XなどのSNSを利用した勧誘

精子提供に関する不審な勧誘では、X(旧Twitter)などのSNSやマッチングサービスが接触手段として利用されるケースがあります。

今回確認された相談事例でも、XのDMがきっかけとなり、精子提供の話を持ちかけられています。

SNSでは匿名や偽名でアカウントを作成できるため、プロフィールに氏名や職業、顔写真などが掲載されていても、それだけで相手の身元を確認することは困難です。

高額な報酬を提示して信用させるケースがある

精子提供詐欺では、通常では考えにくいほど高額な報酬を提示して興味を持たせるケースがあります。

過去の事例では、SNS等で「資産家の女性が不妊に悩んでおり、子作りに協力してほしい」と持ちかけ、「成功報酬3,000万円、手付金900万円」などと提示する不審な勧誘についても確認されています。

「高額な報酬を受け取れる」という期待が大きくなるほど、その後に提示される費用について「報酬を受け取るためなら支払ってもよい」と判断してしまう可能性があります。

精子提供詐欺に関する実際の相談事例

今回確認された相談では、XのDMをきっかけに精子提供の話を持ちかけられ、複数の人物を名乗るアカウントが登場した後、口座凍結解除費用として金銭の支払いを要求されています。

スマートフォンを確認する男性と、複数の人物を名乗るSNSアカウントを表すイラスト
依頼人や弁護士役など、複数の人物が登場しても、身元や手続きの正当性は別途確認が必要です(イメージ)。

X(旧Twitter)のDMから精子提供を持ちかけられる

相談事例では、XのDMを通じて精子提供に関する話を持ちかけられています。

「精子提供をしてほしい」「子どもができたら報酬を支払う」など、相談者側にとって利益がある話として勧誘が始まります。

最初から金銭を要求されるわけではないため、「自分がお金を受け取る側なのだから詐欺ではないだろう」と警戒心が低くなってしまう可能性があります。

「山本真由美」を名乗る人物から依頼を受ける

今回の相談事例では、「山本真由美」を名乗る人物が依頼人として登場しています。

精子提供を依頼し、子どもができた場合には報酬を支払うといった趣旨の説明が行われたとされています。

ただし、「山本真由美」という名称は相談事例の中で使用されていたものであり、本名であることは確認できていません。

同姓同名の実在人物が本件に関与していることを示すものでもないため、本記事では「山本真由美を名乗る人物」と記載します。

「山内詩織」を名乗る弁護士役の人物が登場する

相談事例では、「山内詩織」を名乗り、弁護士として手続きに関与する人物も登場しています。

弁護士が契約や報酬の受け取りに関与しているように見せることで、「法的な手続きが行われているから安全だろう」と信用させる可能性があります。

しかし、SNSやLINEなどで弁護士を名乗っていることだけで、本当に弁護士資格を持つ本人だと判断することはできません。

実際に、弁護士や法律事務所の名称を無断使用し、精子提供の契約に関与しているように装う不審な勧誘も確認されています。

「伊香雪」を名乗るアシスタント役の人物も登場する

さらに今回の相談では、「伊香雪」を名乗るアシスタント役の人物も登場しています。

依頼人だけではなく、「依頼人」「弁護士役」「アシスタント役」と複数の人物が登場することで、実際に組織的な契約手続きが進められているように感じてしまう可能性があります。

ただし、「伊香雪」という名称についても相談事例で使用された名称であり、本名や特定の実在人物との関係が確認されたものではありません。

口座凍結解除費用として送金を求められる

最終的には、報酬に関係する口座が凍結されているなどと説明され、「口座凍結を解除するために費用が必要」として送金を求められたという相談内容が確認されています。

ここで重要なのは、本来は精子提供の報酬としてお金を受け取る話だったにもかかわらず、途中から相談者側がお金を支払う流れへ変わっている点です。

「この費用を支払えば高額な報酬を受け取れる」と説明されても、追加の送金を急がないようにしましょう。

精子提供詐欺について調査して判明したこと

今回の相談内容や公開されている注意喚起を調査すると、SNSから精子提供へ誘導し、高額報酬を提示した後に金銭を要求するという共通した特徴が確認できます。

調査で確認できた勧誘から送金要求までの流れ

今回確認された相談内容を整理すると、以下のとおりです。

調査項目調査で確認できた内容
勧誘内容精子提供
主な接触方法X(旧Twitter)のDM
報酬に関する説明子どもができた場合に報酬を支払う
依頼人として使用された名称「山本真由美」を名乗る人物
弁護士として使用された名称「山内詩織」を名乗る人物
アシスタントとして使用された名称「伊香雪」を名乗る人物
金銭を要求された理由口座凍結解除費用
特徴報酬を提示した後、反対に送金を要求

今回の事例では、最初から相談者がお金を支払う話だったわけではありません。

「子どもができれば報酬を受け取れる」という話から始まり、複数の人物とのやり取りを経て、最終的に口座凍結解除費用として送金を求められています。

登場人物の名称について

今回の相談事例では、「山本真由美」「山内詩織」「伊香雪」という名称が使用されています。

しかし、これらが実際の氏名であることは確認できていません。また、同姓同名の実在人物が今回の事例に関与していることを示すものでもありません。

そのため、本記事では、それぞれ「山本真由美を名乗る人物」「山内詩織を名乗る人物」「伊香雪を名乗る人物」と記載しています。

名前やプロフィール、顔写真、身分証明書などを提示されたとしても、それだけで相手の身元を判断しないことが重要です。

法律事務所や弁護士を装う場合もある

「資産家の女性が不妊に悩んでいる」などとして精子提供を持ちかけ、高額な報酬を提示するほか、弁護士が法的代理人として手続きを行うかのように装うケースが確認されています。

また、相手を信用させるために身分証明書の画像を提示するケースも確認されています。

弁護士や法律事務所の名称が出てきた場合でも、それだけで安全な契約だと判断しないようにしましょう。

警察からも詐欺被害が公表されている

精子提供を口実とした金銭トラブルは、警察からも被害事例が公表されています。

富山県警が公表している事例では、SNSで知り合った人物から「多額の遺産を保有する女性がおり、精子提供に協力すれば30万ドルの報酬を渡す」といった話を持ちかけられています。

このように、精子提供を口実として非常に高額な報酬を提示する勧誘は、今回だけの特殊なケースではありません。

「高額な報酬を受け取れる」という話から始まり、その後に金銭の支払いを求められた場合は特に注意が必要です。

詐欺被害のご相談は、私たち法律の専門家にお任せください。
詐欺被害の不安、
一人で抱え込まないで
ください
まずは状況整理から。LINE・メールでご相談いただけます。
  • ¥0 相談料無料
  • 全国対応
  • 秘密厳守
  • LINE LINE相談
    対応
  • 証拠整理
    相談可能
LINEで相談する メールで相談する
弁護士 田中保彦
田中保彦法律事務所

ご相談内容は厳重に管理し、外部に共有することはありません。

精子提供詐欺を見分けるために注意したいポイント

SNSから精子提供を持ちかけられた場合、報酬額だけで判断してはいけません。相手の身元や契約内容、弁護士の実在性、金銭を要求される理由などを確認することが重要です。

相談者と弁護士がスマートフォンのメッセージや公式の情報を確認するイラスト
相手が示した身分証だけで判断せず、公式に掲載された連絡先から本人性を確認しましょう(イメージ)。

SNSだけで知り合った人物から精子提供を依頼されていないか

XやLINEなど、SNS上のやり取りだけで精子提供を依頼された場合は、相手の身元を慎重に確認しましょう。

SNSでは氏名、職業、年齢、写真などを自由に設定できるため、プロフィールだけで相手が実在する人物だと判断することはできません。

不自然に高額な報酬を提示されていないか

「精子提供だけで数千万円を受け取れる」など、極端に高額な報酬を提示された場合も注意が必要です。

重要なのは、報酬額の大きさではなく、誰が、どのような契約に基づいて、どのような条件で支払うのかを確認することです。

弁護士を名乗る人物が実在するか確認できるか

弁護士を名乗る人物が登場した場合は、その人物が実在する弁護士なのか、さらに現在連絡を取っている相手が本当に本人なのかを確認する必要があります。

東京弁護士会も、SNS上で実在する弁護士になりすました人物が登場する詐欺について注意喚起しています。

弁護士名や登録番号だけで判断せず、公式な弁護士情報を確認したうえで、掲載されている法律事務所の連絡先から直接確認することが重要です。

身分証明書を提示されたことだけで信用していないか

相手から運転免許証などの身分証明書の画像が送られてくると、「身元を明かしているのだから信用できる」と感じるかもしれません。

しかし、身分証明書の画像自体が加工・生成されている可能性や、第三者の情報が悪用されている可能性も考える必要があります。

実際に精子提供を装った勧誘について、AIによって生成された実在しない身分証明書が使用されたことも注意喚起されています。

報酬を受け取るために先払いを要求されていないか

特に重要なのが、「報酬を受け取るためには先にお金を支払う必要がある」という説明です。

手数料や保証金など名称がもっともらしくても、本来受け取るはずの報酬を理由として反対に送金を求められた場合は、支払いを急がないようにしましょう。

口座凍結解除費用などを請求されていないか

「報酬を振り込みたいが口座が凍結されている」「解除するためには費用が必要」などと説明される場合もあります。

「解除費用を払えば数千万円を受け取れる」と考えると、要求された金額が少額に感じてしまうかもしれません。

しかし、一度支払った後に別の理由で追加費用を求められる可能性もあります。

精子提供詐欺に関するトラブルは田中保彦法律事務所へご相談ください

精子提供の報酬を受け取れると説明されたにもかかわらず、反対に口座凍結解除費用などを要求されている場合は、それ以上の支払いを急がず、これまでの経緯を整理することが重要です。

田中保彦法律事務所では、SNSなどをきっかけとした詐欺被害や、報酬を受け取れると説明された後に金銭を要求されたトラブルについてご相談を承っています。

弁護士へ相談することで、これまでの経緯を法的な観点から整理し、返金請求の可能性を含め、今後どのような対応が考えられるのかを検討できます。

「まだ口座凍結解除費用は支払っていない」という段階でも構いません。不審に感じている場合は、田中保彦法律事務所までご相談ください。

まとめ|精子提供で高額報酬を提示された後の金銭要求に注意

精子提供詐欺では、SNSから精子提供を持ちかけ、「子どもができれば高額な報酬を支払う」などと説明した後、口座凍結解除費用などの名目で反対に金銭を要求する手口に注意が必要です。

本来は報酬を受け取る話だったにもかかわらず、途中から費用の支払いを求められた場合は、その場で送金せず、相手の身元や契約内容などを確認することが重要です。

田中弁護士のワンポイント

  • SNSから突然届いた精子提供の依頼を安易に信用しない
  • 不自然に高額な報酬には注意する
  • 弁護士を名乗る人物の実在性と本人性を確認する
  • 提示された身分証明書だけで相手を信用しない
  • 報酬を受け取る前の費用請求には慎重に対応する
  • 口座凍結解除費用などを求められても送金を急がない
  • すでに送金している場合は早めに弁護士へ相談する
田中保彦弁護士のイラスト

すでに精子提供の話をきっかけとして口座凍結解除費用等を振り込んでいる場合や、さらに送金を求められている場合は、それ以上の支払いを急がず、田中保彦法律事務所までご相談ください。