なぜ「友人」からの投資詐欺が起きてしまうのか?

「信頼関係」を逆手に取る詐欺は心理的ハードルを下げ、判断力を鈍らせます。
SNSで築かれた関係性が、なぜ危険に繋がるのかを考えます。

SNS・マッチングアプリで知り合い親しくなった相手

SNSやマッチングアプリを通じて出会った相手と、日々のやり取りを重ねる中で「この人は信頼できる」と感じるのは自然なことです。

たとえ実際に会ったことがなくても、何気ない会話や相談のやり取りから信頼感が芽生えていきます。

しかし、詐欺師はこうした人間関係の構築を「投資勧誘のための準備段階」として計画的に行います。

あくまでも目的は金銭の搾取であり、そのために感情的なつながりを演出してくるのです。

共通点・共感を利用した信頼構築型の詐欺手法

詐欺師は「自分も昔は投資で苦労した」「あなたと同じような境遇だった」といった共感の言葉を多用し、心理的な距離を一気に縮めようとします。

さらに、趣味や仕事、出身地など“共通点”を巧みに演出して、「似た価値観を持った親しい存在」を装います。

その結果、「この人は自分の味方」と思い込んでしまい、投資の話にも警戒心を持ちにくくなってしまいます。

「少額からでいいよ」による心理的ハードルの低下

最初は「1万円だけ試してみない?」といった軽い誘いが多く、被害者の多くは「少額なら問題ない」と思ってしまいます。

実際に少額の利益が出たように見せかけられることで、安心感が強まり、次第に高額な投資を受け入れるようになってしまうのです。

この“少額成功体験”が被害拡大の引き金になるケースは非常に多く、詐欺師にとっては重要な布石となります。

友人を装った投資詐欺の典型的な手口とは

複数の詐欺手口が複合的に用いられ、「詐欺」と気づかせない巧妙な仕掛けが特徴です。

SNS・マッチングアプリでの自然な接近

InstagramやFacebook、マッチングアプリなどを使って、ターゲットに自然な形で接近してきます。

共通の趣味や価値観に触れながら親しくなり、「投資の話をする頃には友人関係が築けている」という流れが多く見られます。

連絡の頻度が高く、丁寧で親しみやすい言葉遣いを使い、疑いを持たせないよう巧みに接してきます。

LINEグループへの招待と“仲間演出”による安心感

ある程度関係性ができると、「もっと詳しく学べる投資グループがあるよ」とLINEグループなどへ誘導されます。

グループ内では複数の人物が登場し、「利益が出た」「自分も最初は半信半疑だったけど…」といった肯定的な発言を繰り返します。

こうしたやり取りを目の当たりにすると、「自分もやってみたい」と思ってしまい、詐欺に巻き込まれていくのです。

少額投資の成功演出→高額入金の誘導

最初は数千円〜数万円の投資で「出金できた」「利益が出た」と感じさせる仕掛けがされます。

実際に小額が振り込まれることもあり、信頼感が一層高まります。

この“成功体験”を経て、「次はもっと稼げる」と高額の入金を勧められ、50万円、100万円といった金額を振り込んでしまうケースが多発しています。

「出金には保証金が必要」などの理由で再入金を要求

高額を入金した後、出金しようとすると「口座凍結解除の保証金が必要」「税金を支払えば出金できる」といった名目で、さらに数十万円〜数百万円の入金を求められます。

こうした要求が何度も繰り返され、結果的に被害総額が500万円を超えるケースも珍しくありません。

最終的に音信不通、アカウント削除

支払いを拒否したり、疑い始めたタイミングで連絡が途絶えます。

SNSアカウントやLINEは削除され、相手の正体も分からなくなります。

「信頼していた人に裏切られた」という喪失感は、金銭的な損失以上に深い傷を残すこともあります。

なぜ警察・消費者センターでは難しい場合があるのか

多くの被害者がまず公的機関に相談しますが、対応が限られるケースもあります。

民事的側面が強く、警察では対応できないことも

詐欺のように見えても、被害者自身が“任意で”お金を振り込んでいると判断されると、刑事事件として扱われにくくなります。

詐欺罪として立件するには、「騙す意図」が明確である必要があり、LINEのやり取りだけでは証拠不十分とされることも少なくありません。

「恋愛」「友人関係」と判断されると支援の限界も

「SNSで知り合って仲良くなった相手に騙された」という事実は、あくまで人間関係の問題と捉えられ、消費者センターでは取り扱いが難しいとされることがあります。

特に投資商品や契約書が存在しない場合、公的機関の対応も限られてしまうのが実情です。

被害額が大きくても“自己責任”とされやすい背景

100万円以上の高額被害であっても、「自らの意思で送金している以上、自己責任」とされることが少なくありません。

これが詐欺師が「強要せず、自発的に投資させる」手法を取る理由の一つです。

田中保彦法律事務所に相談するメリット

投資詐欺を「友人からの勧誘」という形で受けた場合、感情面・証拠面・法的判断のすべてが複雑に絡み合います。

田中保彦法律事務所では、こうした事情を踏まえ、被害の状況に応じた現実的な対応を重視しています。

初動段階からの証拠整理と対応方針の明確化

詐欺に気づいた直後は、LINEやSNSのチャット履歴、送金明細などの証拠が残っている重要なタイミングです。

どの情報を保存すべきか、どの順番で整理すべきかについて、初期段階から具体的な助言を受けることができます。

「友人関係」「海外在住」を装うケースへの冷静な見極め

友人を装った詐欺や、加害者が海外にいるように見せかける手口では、事実関係の整理が欠かせません。

田中保彦法律事務所では、表面的な情報に惑わされず、民事的な観点から対応の可能性を検討します。

法的対応と心情面のサポートを両立した支援

被害者は「自分にも落ち度があったのでは」と自責の念を抱えがちです。

同事務所では、法的な助言だけでなく、被害者の心情にも配慮しながら、今後取るべき行動を一緒に整理していく姿勢を大切にしています。

詳しくはこちらも記事も参考にしてください。
投資詐欺にあったかも?弁護士に相談する前に知っておきたいこと

まとめ|友人からの投資勧誘には慎重な判断を

「まさかあの人が詐欺師だったなんて…」という後悔を防ぐためには、関係性が近い相手からの投資勧誘であっても、冷静に状況を見極めることが重要です。

特にSNSやマッチングアプリを通じて知り合った“友人”からの誘いには、甘い言葉や信頼感を利用した巧妙な罠が潜んでいることがあります。

少額の投資で安心させたうえで、高額な入金を誘導し、最後には音信不通になるという手口が多く報告されています。

少しでも「おかしい」と思った時点で相談することで、被害の拡大を防ぐことができます。

LINEやSNSのやり取り、送金履歴など、詐欺の証拠となる情報は必ず保存しておきましょう。

たとえ相手が親しげな言動をとっていても、SNS経由の投資話には高いリスクがあることを常に念頭に置いておく必要があります。

冷静な判断と早期の専門家への相談が、あなた自身と大切な資産を守る鍵になります。