なぜ投資詐欺は増えているのか?その理由を弁護士が解説
近年、「投資詐欺」の相談件数が急増しています。
国民生活センターや消費者庁には、SNS・マッチングアプリ・副業広告など、さまざまなチャネルをきっかけとした投資詐欺に関する報告が寄せられており、被害者の年齢層や背景も多様化しています。
本記事では、なぜここまで投資詐欺が増加しているのか、その背景と詐欺の進化した手口を紐解きながら、弁護士の視点で注意点と対処法を解説します。
投資詐欺の相談件数はどれくらい増えている?
投資詐欺がどの程度増加しているのかを把握するためには、国民生活センターや消費者庁が公表する統計データが参考になります。
2025年も高水準で推移
2024年度における「投資詐欺に関する相談件数」は、国民生活センターによると年間8,000件を超えており、2020年比で1.6倍近くに達しています。
2025年に入ってもその水準は衰えておらず、引き続き高止まりの傾向が続いています。
特筆すべきは、SNSやマッチングアプリといった個人間のやり取りを通じて被害が発生するケースが急増している点です。
従来のような電話勧誘型から、信頼関係の構築をベースとした“ロマンス型”や“副業誘導型”にシフトしているのが特徴です。
投資詐欺が増加している理由
詐欺手口が進化する一方で、情報リテラシーの差や経済的不安につけ込む事例も増えており、単に“巧妙だから騙される”というよりも、背景には社会的な構造が潜んでいます。
SNSやマッチングアプリ経由の詐欺が急増
SNSやマッチングアプリは、詐欺師にとって「信頼関係を築きやすい環境」です。
数週間から数か月にわたって毎日連絡を取り、「信頼」「恋愛感情」「共通の趣味や目標」といった心理的つながりを育てたうえで、投資話を持ちかけるのが定番の流れです。
近年では以下のような“入り口”も確認されています。
- インフルエンサーや有名人を装ったDM勧誘
- X(旧Twitter)・Instagramでの副業投稿
- LINEでの専用グループ招待 → 投資案内
- 恋愛関係をにおわせたロマンス詐欺とのハイブリッド化
SNSは身元が匿名化しやすく、またビジュアルで信頼性を演出しやすいため、詐欺師にとって格好の舞台となっているのです。
副業やポイ活を入り口にした誘導型詐欺の増加
副業やポイ活を装った「ステップ型詐欺」も増加しています。
典型的な流れは以下の通りです。
- SNS広告やYouTubeで「誰でも簡単に月収30万円」などの文言で副業を紹介
- LINE登録後、アフィリエイトやポイ活の説明を実施
- 数千円〜数万円の初期教材を購入させる
- 「もっと稼ぐには仮想通貨運用が必要」と誘導され、高額入金へ
背景には、以下のような社会的要因があります。
- 物価高騰による生活費の圧迫
- 低金利・低成長の日本で「資産形成」への関心が拡大
- 「今こそ稼げる」「これが最後のチャンス」といった焦らせる心理誘導
こうした不安や欲望につけ込むのが詐欺の常套手段です。
生成AI・チャットボットによるリアルな偽装
近年の注目点として、「生成AIを活用した詐欺」が顕在化しています。
- 自動チャットボットで24時間即レス対応 → 信用を形成
- AI生成で偽の利益グラフや入出金履歴の画像を作成
- チャット画面に「残高100万円突破!」などの自動演出を表示
これにより、詐欺でありながら“手厚いサポート”や“実績の信頼感”を演出しやすくなっています。
中には、動画や音声を加工して有名人が勧誘しているかのように見せるケースもあり、一般ユーザーには見抜きづらくなっているのが実情です。
高齢者・ビギナー狙い撃ちのターゲティング強化
2025年時点で顕著なのが、「60代以上の高齢者」による被害の増加です。
以下のような特徴が詐欺グループによって利用されています。
- 高齢者層は「投資初心者」が多い → 用語の難解さで煙に巻かれる
- ネットバンキングや仮想通貨への知識が浅いため、丸投げしやすい
- 周囲に相談しにくく、被害が表面化しにくい
また、若年層向けには「5分で自動収益」「スキマ時間で稼げる」など、簡便性を強調する文句が使われています。
これにより、広範な世代が被害対象となっているのです。
実際に多い投資詐欺の手口とは?
投資詐欺といっても、そのアプローチは一様ではありません。
恋愛・副業・資産運用・ポイ活など、さまざまな入り口から投資へとつなげる「変化球型」が主流です。
ロマンス詐欺型
SNSやマッチングアプリで出会った相手が「実は投資で成功している」と告白し、好意や信頼を利用して投資話へと誘導します。
一見、最初は少額の利益が返ってくる仕組みを見せて信用を得るものの、次第に「もっと利益を出すには追加資金が必要」と入金を迫られ、最終的には音信不通となるパターンです。
ロマンス詐欺に関する詳しい記事はこちらもご覧ください。
ロマンス詐欺に強い弁護士に相談|返金・解決へのステップ
SNSやマッチングアプリで出会った相手が「実は投資で成功している」と告白し、好意や信頼を利用して投資話へと誘導します。
副業詐欺からの派生
「自動で稼げる」「誰でも収入化できる」といった副業広告からスタートし、アフィリエイト講座やポイ活グループに加入させた後、次第に「投資ならもっと稼げる」と誘導する仕組みです。
途中で教材費・セミナー費・仮想通貨購入など複数の課金をはさみながら、段階的に損失を拡大させていきます。
副業詐欺に関する詳しい記事はこちらもご覧ください。
副業詐欺でお金を取り戻す|返金成功までの全手順
有名人・公的機関を騙る広告
「JRA認定の副業」「厚労省推奨のAI投資ツール」など、実在する公的機関や大手企業のロゴや名称を無断使用する詐欺も増加中です。
信頼できそうに見えることで被害者が警戒心を下げてしまい、本人確認書類の提出や多額の入金へとつながる危険があります。
なぜ弁護士への相談が有効なのか?
投資詐欺の被害に遭った場合、「自分ではどうにもできない」と感じてしまう方は少なくありません。
しかし、早い段階で弁護士に相談することが、被害回復への最短ルートとなります。
弁護士は、被害の内容を整理し、どのような証拠をどの順序で確保すべきかを明確に示すことができます。
詐欺業者の連絡手段・資金の流れ・送金履歴などを精査し、返金請求の根拠を法的に構築できる点が最大の強みです。
主なサポート内容は以下の通りです。
- 被害内容ややり取りの証拠保全(LINE・メール・入金履歴などの整理)
- 加害者・関係業者への返金交渉の代理
- 通知書や請求書の法的作成と送付による対応
また、詐欺業者の中には、弁護士名義の通知書が届いた時点で返金に応じるケースも少なくありません。
個人での問い合わせでは無視される場合でも、専門家の介入によって事態が動くことがあります。
投資詐欺の多くは、時間の経過とともに証拠が消失し、加害者の特定も難しくなります。
したがって、「もしかして詐欺かもしれない」と感じた段階で弁護士に相談することが、被害を最小限に抑えるための重要な一歩です。
まとめ:投資詐欺の増加背景を理解し、冷静な判断を
投資詐欺は年々巧妙化し、その手口は「人の心理」や「時代背景」に根差しています。
- SNS・副業ブーム・仮想通貨を背景とした詐欺の拡大
- 情報過多な時代における“判断ミス”を狙った戦略
- 高齢者・投資初心者など情報格差を突いた勧誘
甘い話には必ずリスクが潜んでいます。
「誰でも稼げる」「短期で元本保証」などの謳い文句には警戒が必要です。
少しでも不審な点があれば、送金を止め、証拠を保全し、弁護士などの専門家に早めに相談することが、被害を最小限に食い止める最善策です。









