親の詐欺被害が発覚したら、まず警察相談専用電話(#9110)や消費生活センター、取引先の金融機関、弁護士などの相談先を早く選ぶことが大切です。家族300人への調査では、最初に相談・通報した先は#9110が28.0%で最多、弁護士・法律事務所は6.3%でした。実際に金銭被害があった家族の62.86%は被害金が戻らず、口座凍結や組戻しなど回収に効く初動に動けた家族は一部にとどまりました。本記事では、家族が発覚後にどこへ相談し、何をしたのかを調査データで整理します。

発覚後の相談先は公的窓口である警察が28%で最多

家族が最初に相談・通報した先グラフ
回答項目回答割合
警察・警察相談専用電話(#9110)28.0%
どこにも相談しなかった19.0%
家族・親戚だけで対応した18.67%
消費生活センター(188)14.67%
弁護士・法律事務所6.33%
銀行・金融機関4.33%
あてはまるものはない9.0%

家族が時系列で最初に相談・通報した先は、警察・警察相談専用電話(#9110)が28.0%で最多でした。次いで「家族・親戚だけで対応した」18.67%、消費生活センター14.67%、弁護士・法律事務所6.33%、銀行・金融機関4.33%と続きます。一方で「どこにも相談しなかった」も19.0%を占めました。まず頼られているのは#9110や188といった公的な窓口ですが、被害金の回収に関わる金融機関や、法的な整理に関わる専門家まで相談が届いていないケースも少なくありません。どこに相談できるかを先に知っておくことが、発覚後に動きやすくする第一歩になります。

主な相談先の役割

警察相談専用電話「#9110」:緊急ではない相談の窓口。被害届や捜査に関する相談ができます。

消費生活センター「188(いやや)」:契約トラブルや悪質商法などの相談ができる公的窓口です。

・取引先の金融機関:振り込んでしまった場合の口座凍結・組戻し(返金手続き)の相談窓口です。

・弁護士・法律事務所:状況の整理や、加害者・関係先への法的対応を相談できます。

親が遭う詐欺は「オレオレ詐欺・親族なりすまし」が28%で最多

親が遭った詐欺の種類グラフ
回答項目回答割合
オレオレ詐欺・親族なりすまし28.0%
投資・もうけ話の詐欺(未公開株・暗号資産など)24.67%
点検商法・リフォーム詐欺などの訪問販売型18.33%
還付金詐欺(税金・保険料が戻るなど)17.67%
架空請求・未払い請求(ハガキ・メール・SMS)17.33%
サポート詐欺(パソコンの警告画面など)14.0%
ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺5.67%
その他5.33%
種類はわからない12.0%

親が遭った(または遭いそうになった)詐欺の種類を複数回答でたずねると、「オレオレ詐欺・親族なりすまし」が28.0%で最も多く、次いで「投資・もうけ話の詐欺(未公開株・暗号資産など)」24.67%、「点検商法・リフォーム詐欺などの訪問販売型」18.33%、「還付金詐欺」17.67%、「架空請求・未払い請求」17.33%、「サポート詐欺」14.0%と続きました。家族をかたるなりすまし系と、資産を狙う投資系が二つの主な類型で、電話・訪問・メールやSMSなど、親世代が日常的に接する複数の入口から被害が生じていることがうかがえます。

家族が最初に気づくのは「本人からの相談・告白」が31%

家族が最初に異変に気づいたきっかけグラフ
回答項目回答割合
親本人から相談・告白があった30.67%
被害後に発覚し、事前には気づけなかった19.67%
不審な電話・郵便物・宅配が増えた14.67%
親が急にお金・投資・契約の話をするようになった13.33%
見知らぬ人物(恋人・業者など)の話をするようになった8.33%
銀行・ATMへ頻繁に行くようになった6.67%
通帳の残高や貯金が不自然に減っていた2.0%
その他4.67%

家族として「何かおかしい」と最初に気づいたきっかけは、「親本人からの相談・告白」が30.67%で最多でした。一方で「被害後に発覚し、事前には気づけなかった」も19.67%あり、事前の察知が難しい実態もうかがえます。「不審な電話・郵便物・宅配が増えた」14.67%、「急にお金・投資・契約の話をするようになった」13.33%、「見知らぬ人物の話をするようになった」8.33%など、日常の小さな変化がサインになっています。日頃から親の様子や連絡・お金の動きに目を向けておくことが、早い気づきにつながります。

発覚後の行動は「警察に相談」が32%、弁護士相談は10%にとどまる

被害発覚後に家族がとった行動グラフ
回答項目回答割合
警察に被害届・相談をした(#9110含む)32.33%
家族で話し合い、見守り・お金の管理を見直した30.67%
特に行動はとれなかった/何をすべきか分からなかった21.33%
消費生活センター(188)に相談した19.33%
銀行・カード会社に連絡し、口座凍結・カード停止をした11.33%
弁護士・法律事務所に相談した10.0%
振込先の金融機関に組戻し(返金手続き)を依頼した6.0%

被害が分かった後に家族がとった行動は、「警察に被害届・相談をした(#9110含む)」32.33%が最多、次いで「家族で話し合い、見守り・お金の管理を見直した」30.67%でした。一方、被害金の回収に効きやすい初動は限られており、「口座凍結・カード停止」11.33%、「弁護士・法律事務所に相談」10.0%、「組戻し(返金手続き)の依頼」6.0%にとどまります。さらに「特に行動はとれなかった/何をすべきか分からなかった」も21.33%あり、5人に1人は何をすればよいか分からず動けなかったことになります。警察への相談32.33%は、弁護士・法律事務所への相談10.0%の約3.2倍にあたり、専門家への相談まで届いているケースは限られています。だからこそ、発覚後の相談先と初動の選択肢を、あらかじめ知っておくことに意味があります。

未然・途中で防げた家族は66%、23%は被害が発生

詐欺被害を未然に・途中で止められたかグラフ
回答項目回答割合
完全に止められた(金銭被害はなかった)53.67%
止められず、金銭被害が発生した22.67%
途中で食い止め、被害を小さくできた12.33%
わからない11.33%

詐欺被害を未然に・あるいは途中で止められたかをたずねると、「完全に止められた(金銭被害はなかった)」53.67%と「途中で食い止め、被害を小さくできた」12.33%を合わせて66.0%が、被害を防ぐ・小さくできていました。「止められず、金銭被害が発生した」は22.67%です。気づいて動けば防げる・小さくできるケースも多いことが分かります。裏を返せば、被害が生じてしまった家族にとっては、その後の相談先と初動が回収の可能性を左右する場面になります。

被害金は63%が「まったく戻らなかった」

被害金をどの程度取り戻せたかグラフ
回答項目回答割合
まったく戻ってこなかった62.86%
一部が戻ってきた14.29%
現在も手続き・交渉中10.48%
全額または大部分が戻ってきた5.71%
もともと金銭被害はなかった(被害寸前)5.71%
わからない/答えたくない0.95%

実際に金銭被害があった105名に被害金をその後どの程度取り戻せたかをたずねると、「まったく戻ってこなかった」が62.86%と6割を超えました。「一部が戻ってきた」14.29%、「現在も手続き・交渉中」10.48%、「全額または大部分が戻ってきた」5.71%と、何らかの回復に至ったのは合計で約30.5%にとどまります。回収の壁は高く、時間が経つほど資金の追跡や返金は難しくなりやすいとされます。だからこそ、被害に気づいたらできるだけ早く相談先を選び、口座凍結や組戻しといった初動を検討することが、その後の選択肢に影響する場合があります(回収を保証するものではありません)。

被害額は「10万〜50万円未満」が最多、50万円以上も約37%

親が遭った詐欺の金銭被害額グラフ
回答項目回答割合
10万〜50万円未満28.57%
1万〜10万円未満20.95%
50万〜100万円未満18.1%
500万円以上10.48%
100万〜500万円未満8.57%
1万円未満3.81%
わからない/答えたくない9.52%

被害額(実被害 n=105)は「10万〜50万円未満」28.57%が最多で、「1万〜10万円未満」20.95%、「50万〜100万円未満」18.1%と続きます。50万円以上の被害も約37%を占め、高額な被害も一定数生じていました。金額の大小にかかわらず、早めに状況を整理して相談することが、その後の対応の助けになります。

親の詐欺被害が分かったとき、家族が確認したい5つのポイント

・できるだけ早く相談先を選ぶ(まずは公的窓口の#9110・188が入口)。

・お金の流れを止める初動を検討する(金融機関への連絡・カード停止・組戻し依頼)。

・気づいたきっかけ・やり取り・振込の記録を時系列で残す。

・家族だけで抱え込まず、必要に応じて弁護士など専門家にも相談する。

・日頃から見守り・お金の管理を見直し、次の被害を防ぐ。

よくある質問(FAQ)

Q. 親の詐欺被害に気づいたら、まずどこに相談すればいいですか?

A. まずは警察相談専用電話(#9110)や消費生活センター(188)などの公的窓口が入口になります。お金の動きがある場合は取引先の金融機関への連絡も並行して検討し、必要に応じて弁護士など専門家にも相談する方法があります。調査でも最初の相談先は#9110が28.0%で最多でした。

Q. 被害金は取り戻せますか?

A. 本調査では実際に金銭被害があった方の62.86%が「まったく戻ってこなかった」と回答しており、回収は容易ではありません。ただし、口座凍結や組戻しなど早い初動が、その後の選択肢に影響する場合があります(回収を保証するものではありません)。

Q. 家族はどうやって親の異変に気づいていますか?

A. 調査では「親本人からの相談・告白」が30.67%で最多でした。不審な電話・郵便物の増加、急なお金・投資の話、見知らぬ人物の話など、日常の小さな変化がサインになっています。

詐欺・消費者被害の相談について

「これは詐欺かもしれない」「親のお金が動いていて不安」と感じたら、お一人で抱え込まずに相談を検討してみてください。田中保彦法律事務所は、第二東京弁護士会所属の田中保彦弁護士が代表を務める法律事務所です。東京都新宿区若葉(JR四ツ谷駅近く)に事務所を構え、投資詐欺・特殊詐欺(オレオレ詐欺・親族なりすまし等)・SNS詐欺など、消費者被害や詐欺トラブルに関する相談に対応しています。

・被害に遭った方・ご家族に寄り添い、冷静に状況を整理する

・初回相談は無料。メールフォーム・LINEから受付

状況を整理するためだけでも相談の場をご利用いただけます。判断に迷う前に、取りうる選択肢を確認しておくと安心につながります。

調査概要

調査名親の詐欺被害が発覚した後の家族の対応・相談先と被害金の回収に関する調査
調査対象親(別居・他界された方を含む)が詐欺被害に遭った・遭いそうになった経験がある方(モニタリスト)
有効回答数300名(n=300/うち実際に金銭被害があった方 105名)
調査期間2026年7月3日
調査方法インターネットによるモニタリスト調査(freeasy使用)
調査主体田中保彦法律事務所
注記金銭被害額(Q5)と回収結果(Q8)は、実際に金銭被害があった105名を対象とした割合です。回収の可否は個別の事情によります。