加害者の54.5%が「日本人」と自称

加害者が自称した国籍で最も多いのは「日本」で、経験者200人中54.5%(109人)でした(Freeasy調査・n=200)。

加害者が偽っていた「自称出身地・国籍」

「やり取りした相手は、自分の国籍・出身をどのように名乗っていましたか」という問いに対し、最も多かった回答は「日本」で54.5%(109人)でした。次いで「中国・台湾・香港」10.5%(21人)、「アメリカ」8.5%(17人)と続き、「国籍ははっきり聞いていない・覚えていない」も12.0%(24人)ありました。

ロマンス詐欺というと「外国人が片言の日本語で近づいてくる」というイメージを持つ方も少なくないかもしれませんが、この調査では加害者が「日本人」を自称したケースが過半数を占めています。日本人を名乗る相手は言葉の壁を感じさせないため、かえって違和感を抱きにくく、警戒が緩みやすい点には注意が必要です。「相手が日本人だから安心」という前提だけで安全を判断するのは難しい、というのが200人の回答から読み取れる傾向です。

念のため強調しておくと、これは「加害者が”日本人”と自称した(と被害者が受け止めた)」という申告内容であって、日本人や特定の国籍の人を詐欺師と断定するものではありません。どの国籍を名乗っていたかにかかわらず、見分けの判断材料は、次の項目以降で見ていく「出会い方」「連絡の取り方」「金銭の話の出方」など複数のサインを合わせて考えることが重要です。

加害者との出会いはマッチングアプリが最多36.5%

加害者との出会いは「マッチングアプリ・婚活アプリ」が36.5%で最多、主要SNS4種の合計は52.0%でした。

加害者と知り合ったきっかけ

出会いのきっかけ(最初に接触したサービス)で最も多かったのは「マッチングアプリ・婚活アプリ」で36.5%(73人)でした。続いて「Instagram」14.5%(29人)、「LINE(オープンチャット・友だち追加など)」14.5%(29人)、「Facebook」12.0%(24人)、「X(旧Twitter)」11.0%(22人)と続きます。

ここで注目したいのは、Instagram・Facebook・X・LINEという主要SNS4種を合計すると52.0%になり、マッチングアプリ単体(36.5%)を上回るという点です。出会いの入口は恋愛・婚活目的のアプリに限りません。趣味やゲームのコミュニティ(7.5%/15人)から始まったケースもあり、「マッチングアプリさえ気をつければいい」とは言い切れません。

普段使っているSNSのダイレクトメッセージやオープンチャットなど、恋愛を目的としていない場所から接触が始まることもあります。どのサービスで知り合ったかにかかわらず、見ず知らずの相手と急速に親密になり金銭の話へ向かう流れには、後述するように共通のサインがあります。

加害者の自称上位職業は「投資家・トレーダー」「経営者」「エンジニア」

加害者が自称した職業は「投資家・トレーダー・実業家」が17.5%で最多、上位3職業の合計は42.0%でした。

加害者が偽っていた「自称職業」

加害者が名乗っていた職業として最も多かったのは「投資家・トレーダー・実業家」で17.5%(35人)、次いで「経営者・自営業」13.0%(26人)、「エンジニア・IT技術者」11.5%(23人)でした。この上位3職業を合計すると42.0%になります。さらに「医師・医療従事者」10.0%(20人)、「軍人・自衛官」6.0%、「パイロット・船員など海外で働く専門職」5.0%、「海外駐在の会社員・ビジネスマン」3.5%、「国連・国際機関・NGOの職員」1.0%と続きました。

一方で「職業ははっきり聞いていない・覚えていない」が30.0%(60人)と単独では最も多く、職業をあいまいにしたまま関係が進んでいたケースも少なくありません。

自称職業として目立つのは、「お金に詳しそう」「社会的信用が高そう」「海外にいて簡単には会えない」と感じさせる肩書きです。投資家やトレーダーは後の投資勧誘につなげやすく、医師・軍人・海外駐在などは「会えない理由」を自然に説明できます。肩書きそのものが詐欺の証拠になるわけではありませんが、職業の話が「お金の運用」や「会えない事情」に結びついていく流れには注意が必要です。なお、これらは加害者が自称した職業であり、実在する特定の職業の人物を加害者と断定するものではありません。

加害者の自称年齢は30代が最多の35.5%

加害者が自称・推測された年齢層は「30代」が35.5%で最多、次いで40代19.0%でした(Freeasy調査・n=200)。

加害者の自称・推定年齢層

相手が名乗っていた、または見た目から推測された年齢層は、「30代」が35.5%(71人)で最も多く、次いで「40代」19.0%(38人)、「20代」12.0%(24人)、「50代」10.0%(20人)、「60代以上」5.5%(11人)でした。「わからない・覚えていない」も18.0%(36人)ありました。

30代・40代を合わせると半数を超えました。結婚や将来の話題が現実感を持って受け止められやすい年齢層が中心だったと考えられ、結婚や将来をにおわせる言葉と組み合わされると、より説得力を持ちやすい傾向があると考えられます。

ただし年齢はあくまで自称・推測であり、ビデオ通話に応じない、写真が極端に少ないといった場合は、名乗っている年齢と実際が異なる可能性も否定できません。年齢単体ではなく、次に見る写真の特徴と合わせて確認することが大切です。

プロフィール写真は「モデルのように容姿が整っていた」

加害の写真は「モデルのように容姿が整っていた」が38.5%で最多、「高級品・豪華な生活」が27.5%でした(複数回答)。

加害者のプロフィール写真の特徴

プロフィール写真や送られてきた画像の特徴を複数回答で尋ねました。最も多かったのは「モデルのように容姿が整っていた」で38.5%(77人)、次いで「高級品・豪華な生活(高級時計・車・ブランド品・旅行など)が写っていた」27.5%(55人)でした。続いて「海外の風景・出張先・リゾートが背景だった」18.5%(37人)、「家族や子ども(シングルファーザー設定など)と一緒に写っていた」12.0%(24人)と続きます。「写真は1枚のみ、または極端に少なかった」9.5%(19人)、「軍服・制服・白衣などの仕事の服装だった」9.0%(18人)、「ビデオ通話には一度も応じてくれなかった」8.5%(17人)も見られました。さらに「あとで画像検索すると別人の写真だった/AIが作ったような不自然な写真だった」も5.5%(11人)ありました。なお複数回答のため、合計は100%を超えます。

整った容姿や豪華な暮らしぶりの写真は、「魅力的な相手」「成功している相手」という印象を与え、信頼を引き出しやすくなります。一方で、「ビデオ通話に応じない」「写真が極端に少ない」「画像検索すると別人だった」といった特徴は、本人確認が取れていないサインとして重要です。「プロフィール写真を見ていない・覚えていない」も20.0%(40人)あり、見た目より会話の内容で関係が深まっていたケースもうかがえます。

写真が魅力的であること自体は問題ではありませんが、「対面やビデオ通話を避け続ける」相手の場合は、写真の人物と実際にやり取りしている相手が同一かどうかを確認できていない点に注意が必要です。

信じた決め手は「こまめな連絡」が37.0%

信じた決め手は「毎日のこまめな連絡」が37.0%で最多、連絡頻度は「1日4〜10回」30.0%が最多でした(決め手は複数回答)。

被害者が信じてしまった理由

「相手を信じてしまった(または一時的に信じかけた)決め手」を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「毎日のこまめな連絡で親密さを感じた」で37.0%(74人)でした。次いで「プロフィール写真の容姿・雰囲気に説得力があった」28.5%(57人)、「相手の境遇(海外勤務・家庭の事情など)に同情した」18.5%(37人)、「結婚・将来をにおわせる言葉があった」16.0%(32人)、「職業の社会的信用が高そうだった」14.0%(28人)と続きます。「実際に少額の利益や返金があり、信用してしまった」も9.0%(18人)ありました。なお複数回答のため、合計は100%を超えます。一方で「特に決め手と感じたものはない・最後まで信じなかった」も23.0%(46人)ありました。

加害者との1日あたりの連絡頻度

決め手のトップが「容姿」や「肩書き」ではなく「毎日のこまめな連絡」だった点は重要です。連絡頻度を見ると、最も多かった時期で「1日4〜10回」が30.0%(60人)と最多で、「1日1〜3回」「1日1回未満」がともに25.5%(51人)ずつ、「1日11〜20回」8.5%(17人)、「1日21回以上(ほぼ常にやり取りしていた)」も10.5%(21人)ありました。

毎日の頻繁なやり取りは、短期間で「特別な関係」という感覚を育てます。連絡の多さそのものは恋愛では自然なことですが、「強い親密さを背景にお金の相談が持ちかけられる」流れには注意が必要です。とりわけ「少額の利益や返金で信用してしまった」というケースは、最初に少額を返すことで信頼させ、より大きな送金へ誘導する手口につながりうるものです。少額が返ってきたことは「送金すれば取り戻せる」という保証には決してならない点に、十分ご注意ください。

送金前に気づけた人は43.5%

送金・支払いの前に気づけた人は43.5%(87人)、一方で56.5%(113人)は何らかの金額を支払っていました。

被害者が支払った金額

「最終的に支払った金額」を尋ねたところ、「0円(送金・支払いの前に気づいた)」が43.5%(87人)で最も多く、4割以上が金銭を支払う前に気づけていました。一方で、残りの56.5%(113人)は何らかの金額を支払っています。

支払った人の内訳は、回答者200人全体に占める割合で見ると、「10〜50万円未満」17.0%(34人)、「1〜10万円未満」16.5%(33人)、「50〜100万円未満」9.5%(19人)、「500〜1,000万円未満」4.5%(9人)、「1万円未満」4.5%(9人)、「100〜500万円未満」2.5%(5人)、「1,000万円以上」2.0%(4人)でした(支払った113人分の合計)。同じく全体比で、50万円を超える金額を支払った人は18.5%、100万円を超える人は9.0%でした。

4割以上が送金前に気づけているという結果は、「途中でも気づけるサインがある」ことを示しています。違和感を覚えた段階で立ち止まり、一人で抱え込まずに相談することが、被害を防ぐ・広げないうえで大切です。

なお、すでに送金してしまった場合でも、それはご本人の落ち度ではありません。巧妙な手口によるものであり、自分を責める必要はありません。ただし正直にお伝えすると、ロマンス詐欺で送金してしまったお金の回収には困難が伴う場合が多いのが実情です。相手が海外口座や複数の口座を経由している、本人特定が難しいといった事情から、取り戻せる保証はありません。だからこそ、できるだけ早い段階で公的窓口や専門家に相談し、状況に応じた対応を検討することが重要になります。

ロマンス詐欺を見分ける7つのチェックポイント

国籍・出会い方・職業・写真・連絡・金銭の7視点で確認します。該当=詐欺確定ではなく、複数重なるときは相談を。

ここまでの調査結果を、相手とのやり取りを振り返るための7つのチェックポイントとして整理します。重要なのは、これらは「1つでも当てはまれば詐欺と確定する」ものではなく、あくまで経験者の回答から見えた「傾向」だという点です。健全な交際相手に当てはまることもあります。複数の項目が重なるとき、特に金銭の話が出てきたときは、慎重に判断し、公的窓口や専門家に相談することをおすすめします。

・国籍だけで判断しない:加害者の54.5%が「日本人」を自称しており、「外国人だけ警戒すればいい」という思い込みでは防げません。

・出会いの入口を過信しない:マッチングアプリ(36.5%)だけでなく、Instagram・LINE・Facebook・Xなど主要SNS4種の合計が52.0%。

・「お金に詳しい・会えない」職業の話に注意:投資家・経営者・エンジニアなど上位3職業で42.0%。

・写真と本人確認のギャップを見る:容姿が整った写真(38.5%)や豪華な生活の写真(27.5%)が多い一方、ビデオ通話に応じない・写真が極端に少ない場合は本人確認が取れていないサインです。

・連絡の「量」と「お金の話」をセットで見る:信じた決め手の最多は「こまめな連絡」37.0%。

・「少額の返金・利益」を信用材料にしない:少額が返ってきたことは、より大きな送金へ誘導する手口につながりうるもので、「送金すれば取り戻せる」という保証にはなりません。

・金銭の要求が出たら一度立ち止まる:送金前に気づけた人は43.5%。投資・仮想通貨・渡航費・贈り物・手数料など、理由を問わず金銭の要求が出た時点でいったん立ち止まり、第三者に相談します。

繰り返しになりますが、これらの特徴は加害者が自称した属性や被害者が感じた印象に基づく傾向であり、特定の国籍・職業・年齢の人を詐欺師だと断定するものではありません。チェックの目的は相手を一方的に疑うことではなく、複数のサインが重なったときに冷静に立ち止まる材料を持つことです。

不安を感じたら相談できる窓口

不安なときは警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188へ。一人で抱え込まず早めの相談が大切です。

「もしかして詐欺かもしれない」と感じたとき、あるいはすでに送金してしまったときは、一人で抱え込まず、早めに公的な窓口へ相談してください。判断に迷う段階であっても相談して構いません。

  • 警察相談専用電話「#9110」:緊急性のない相談を受け付ける全国共通の窓口です。事件性の判断や対応の助言を受けられます(緊急の場合は110番)。
  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」:お住まいの地域の消費生活センター等につながり、トラブル全般の相談ができます。

また、被害回復や法的な対応を検討したい場合には、弁護士など専門家に相談するという選択肢もあります。ただし前述のとおり、ロマンス詐欺で支払ったお金の回収には困難が伴う場合が多く、取り戻せる保証はありません。それでも、早い段階で状況を整理し、取れる対応を確認しておくことには意味があります。

最後にあらためてお伝えしたいのは、被害に遭ったことはご本人の落ち度ではない、ということです。手口は年々巧妙になっており、誰もが対象になり得ます。「気づいた今」が、立ち止まり、相談する一番のタイミングです。

本記事で示した数値は、いずれも回答者から見て「加害者(詐欺の相手方)がどのように名乗っていたか」という申告内容、または回答者が受け取った印象に基づくものです。実在する特定の国籍・職業・年齢の人物を加害者と断定するものではありません。各項目は「該当すれば詐欺と確定する」基準ではなく、経験者の回答から見えた傾向であり、複数の特徴が重なる場合は慎重に判断し、公的窓口や専門家へ相談することをおすすめします。

■ 調査概要

調査名ロマンス詐欺加害者の自称属性調査
調査方法インターネット調査(セルフ型アンケートツール「Freeasy」/アイブリッジ株式会社のモニターを利用)
調査企画・監修弁護士法人田中保彦法律事務所
調査期間2026年6月8日〜6月9日
調査対象ロマンス詐欺の被害・やりとり経験がある全国の男女(N=200/男性151人・女性49人)